ちょうふアートサポーターズ (CAS)で活動している方々にCASについて色々聞いてみました!
ちょうふアートサポーターズ(CAS) 先輩インタビュー
Tさん(1年目・50代・会社員)
大好きな音楽や映画に携われるからだけでなく、様々な人と触れ合えることで、毎回楽しんでします!

Q1.CASに登録したきっかけを教えてください
子育てが落ち着き、何か始めてみようかと考えていた時、映画のまち調布シネマフェスティバル2024でCASの存在を知りました。調べてみて調布国際音楽祭も関わっていたことが分かり、音楽と映画両方が好きで、さらにイベントのスタッフ側をやるのが好きな私に打ってつけじゃないか!と飛び込んでみました。
Q2.印象に残ってる活動を教えてください
調布国際音楽祭
開催期間に入る前から、チラシの挟み込みなどをみんなで行ったことから、運営により携わった感覚があります。
一番印象に残っていることは、フェスティバル・オーケストラで担当した影アナです。このポジションは、初めてで勝手が分からず多少戸惑いましたが、舞台裏の様子が見られることに、実はワクワクしていました。スタッフの皆さんは場慣れした雰囲気ながらも本番の緊張感はこちらまで伝わってきましたし、演奏者であるフェスオケメンバーの皆さんが、本番に向けて気持ちを高めていく姿を間近で感じられました。
指揮者の鈴木雅明さんは、若くエネルギッシュな音楽をとても楽しんでいる様子。こうやって大勢の人の気持ちが素敵な音に変換されて客席に届いていくのか、と感慨深かったです。みんなかっこよかった!
よくクラシックコンサートを聴きに行く私ですが、本番を裏側から見ることはまずないので、貴重な経験でした。

展示のサポート
どの活動も楽しかったのですが、私にぴったりハマったのが「調布メディアアートラボ pook展 WAYPOINTS~ふしぎの空路~」の鑑賞サポートでした。
この展覧会は、鑑賞者が触ったり、声を出したりすることで作品が反応して変化する体験型作品が展示してあります。
鑑賞サポートは、それらの作品の取扱い方を簡単に紹介し、お客様と一緒に楽しむ活動でした。老若男女、障がいの有無や国籍に関わらず、目を輝かせて楽しんでいて、本当に素敵な空間でした。 コンサートのご案内よりもお客様との距離感がとても近く、いろんな方とお話ができて、楽しくもあり勉強にもなりました。

種類豊富な研修
CASに登録して、様々な研修に参加しました。
割と軽い気持ちで登録した私は、最初の接遇研修で少し不安になりました。今までは事務仕事、家では男子ばかりを相手してきましたので、かしこまった言葉遣いを使用することが少なかったです。この研修を機会に丁寧な対応ももう一度身につけよう、とがんばりました!
聴覚研修では、聞こえない・聞こえにくいお客様とのコミュニケーションの取り方を実践も交えて教えていただきました。素早く正確な意思疎通はなかなか難しかったのですが、笑顔で対応することで不安が減るとのお話に、どんな方が相手でも基本は一緒なんだなと改めて実感しました。

Q3 活動を通して新しい発見や楽しさはありますか?
世の中には自分と同じように音楽・映画好きな人がたくさんいる!
色々とハードルはあるけれど、芸術に触れたい人がたくさんいる!
調布国際音楽祭のプログラムで、カフェでの無料コンサートに参加した時のこと。赤ちゃん連れのお母さんが、病院帰りに赤ちゃんが寝たから久しぶりにカフェに寄ってみたら素敵な演奏が聴けたと言って、とても喜んでいたのです。
音楽を聴きに行く余裕なんて全くない、という時期は私にもありました。でもそういう余裕のない時ほど、音楽をはじめ様々なアートは、癒しや力になってくれると思います。なーんだ意外とハードル高くないんだな、と思ってもらえるお手伝いができたらいいなと思います。
来場した子どもたちの反応に喜びを感じる
いろんな事業に参加し、子どもたちの素直な反応には心が洗われるようでした。最も感じたのが市内の園児対象のミュージカル『劇団銀河鉄道のぬいぐるみミュージカル「ブレーメンのおんがくたい」』。
グリーンホール中が一体となって笑ったり驚いたり、主人公を「がんばれ〜」と大声で応援したり。帰る時には、一人ひとり私に一言ずつ感想を話してくれました。かわいらしくて、これは役得だなと思いました。
Q4 これからCASメンバー登録を検討している方へメッセージやアドバイスをお願いします。
年齢を重ね、新しいコミュニティをつくりにくいと感じていました。そこで一歩踏み出して、CASに登録しました。老け込まないように(笑)
結果、大正解!職員の方々がサポートしてくれるから安心ですし、CASの先輩方は明るく優しい人たちばかりです。帰るお客様の「楽しかったです」の一言はココロを元気にしてくれます。
私自身も毎回楽しかった!と思えるのは、大好きな音楽や映画に携われるからだけでなく、様々な人と触れ合えるからなのかもしれません。前向きな気持ちだけあれば、どなたでも楽しく充実した活動ができると思います。
Oさん(3年目・40代・会社員)
今までは会社と家の往復ばかりでしたが、CASの活動を始めて劇場や美術館に足を運ぶ機会が増えました

Q1 CASに登録したきっかけを教えてください
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のボランティア活動に参加したことがきっかけで、ボランティアの面白さを感じ、どこかで活動を継続できないかと思っていました。
登録していたサイト「東京ボランティアレガシーネットワーク」の中で、自分が住む「調布市」での、CASの活動募集を知ったのが応募したきっかけです。 自分が関心を持つ「文化事業」を通して、職場やプライベートとは異なる「地域」の活動に関われることに魅力を感じます。
Q2 印象に残ってる活動を教えてください
落語の書き起こし
落語の書き起こしは、落語家の動画等を事前に見て噺を書き起こす聴覚障害者向けのサポートです。落語会の当日に字幕として表示されます。20分ぐらいの噺を、数名で分担して書き起こすので、それほど負担はありません。
ただ、落語初心者で、速記の出来ない私の場合、自分のパートを書き起こすのに、2~3時間かかりました。自分の書いた文章と落語家の噺が滑らかに重なったときに達成感を感じました。また、私は、前に出るのが得意でないと思っていて、自宅でゆっくり出来る点もよかったです。

展示の対話型鑑賞
「いのちのパレット 松本亮平展 調布×架ける×アート」対話型鑑賞DAYの活動で、お客さんを誘導しつつ、イベントにも参加しました。
対話型鑑賞は、アーティストと鑑賞案内のプロの方がナビゲートし、一つの作品に対して、そのお二人が感じたことをまとめて発言するだけでなく、お客さんが作品を観て感じたことを伺いながら、進めていきます。
このようなイベントは初体験で、自分自身も意見を言う機会もあり、とても貴重な体験でしたし、他の鑑賞者の人のコメントから新たな気づきを得たりしました。 更には、アーティストの方が意図した点や背景を聞くことも出来て、わいわい意見を言い合うような楽しいイベントになりました。今までは、美術展に行く際は一人で鑑賞することが多かったので、他の鑑賞者や作者との垣根が取り払われた感じがして面白かったです。

せんがわ劇場公演での活動
今年度は、調布国際音楽祭「ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま」、「ドクターズジレンマ」の活動に参加しました。チケットもぎりを担当しました。チケットもぎりは紙とデジタルがあり、特にデジタルは覚えることが多く、最初のころは大変でした。
CASは研修が豊富にあり、チケットもぎりの研修は年に何回もあるので、その研修に何度も参加して覚えました。研修の中で、講師の職員から「チケットを確認する場所がわかっていない人がいたら、手を挙げてお声掛けしてください」と教えていただき、実践しています。また、活動を何回もすることで覚えますし、困った時はCAS同士で教え合うことで覚えることができました。
演劇は、私が一番好きな文化事業の分野で、日頃は観客として楽しんでいます。CASの活動を通して、作品や出演者、スタッフの方々をサポートできることに面白みを感じました。また、舞台裏を近くに感じられることも楽しみの一つで、自分の興味・関心が深まる感じがしました。

Q3 活動を通して新しい発見や楽しさはありますか?
作家に対してイメージの変化
2年前の活動になりますが、「鬼原美希展」で作家インタビューに参加しました。その中で鬼原さんが発した「鑑賞者がいて作品がある」という言葉に感銘を受けました。
アーティストは自分が好きなものを作っているイメージが強かったですが、見てもらう人のために作品を作っているという考えをお持ちだということを知り、CAS活動を通して、アーティストの方や作品に対して心の距離感が少し縮まりました。
サポートの重要性
脚の不自由な高齢者、お子様連れのお母さん、目の不自由な人など様々な人々が劇場にお見えになります。財団が用意したサポートプログラムだけでなく、私たちCASがお手伝いすることで老若男女いろんな人が公演を楽しむことができると感じます。
Q4 CASを始められてから3年経ちました。活動を続けることで日常生活などに変化はありましたか?
CASの活動を始め、他の劇場や美術館に足を運ぶ機会が増えました。今までは年2~3回程度でしたが、月1回くらい鑑賞するようになりました。 また、関心ある分野については、知識を深めようと思い、ちょうふ市民カレッジの美術講座、せんがわ劇場主催の講座などに参加しました。そして、CASでは年間を通じて様々な活動があるので、自分がこれまであまり触れて来なかった分野であるクラッシック音楽やメディアアートなどに触れる機会もありました。
Q5 これからCASメンバー登録を検討している方へメッセージやアドバイスをお願いします。
私は、学生時代から演劇が好きだったのですが、就職してから会社と家の往復で少し足が遠のいていました。CAS活動を始めて、観劇を再開するきっかけとなりました。CASでは、同じ趣味を持った他のサポーターの方と話をする機会もありますし、詳しい方から「こういう点が面白いよ!」と話を聞くこともありました。
CASは、調布市の文化活動をサポートするボランティアです。自分が関心のある分野や慣れ親しんだ分野からスタートすることが出来ます。楽しみながら一緒に活動して行きましょう!