調布の“場”レポート⑦ kata kata
深大団地にアトリエを構える、松永武、高井知絵による染色作家ユニット「kata kata」。 話題の絵本「にっげろー」をはじめ、動物や植物をモチーフにしたユーモアあふれる作品は、どのようにして生まれるのでしょうか。アトリエを取材してきました。

松永武さん、高井知絵さんにお話を聞きました
kata kataはどんな場所?
高井:
ここはアトリエとお店を兼ねていて、木曜日~日曜日にオープンしています。
私たちは普段からこのお店で制作をしていて、ちょこっとだけシャッターは開いてるので、お店がオープンしていない時も外から時々、覗いてもらうこともありますよね。
松永:
アトリエとしては染めの作業をしてたり、あとはデザイン作業をしてるっていう感じです。

kata kataを開くきっかけ
高井:
私たちは大学のテキスタイル科の同級生で、大学2年生の時の学園祭で「何か自分たちのものを作って売ってみたいね」っていう話からユニットを組んだのがきっかけでスタートしました。
松永:
最初に商品として、手ぬぐいを染めたんですけど、その時「型染め」という技法を使ったので、「型」「型」っていうのを2つくっつけて「kata kata」という名前にしました。


高井:
はい、単純ですね(笑)深大団地にアトリエを構えた一番の理由は、松永は自然の中からモチーフ選びをしてるので、近くに野川が流れていたりとか、すごく創作意欲がわくんじゃないかなって思って。
松永:
湧きますし、ちょっと疲れたら野川行って魚を見るっていう(笑)
高井:
この団地の中も公園があったりとか、大きな木が生えてたりだとか、生き物も鳥もいっぱいいますので、自分たちの作風とこの街の雰囲気というかがすごく合ってる気がして。言い方がどうかわからないですけど、程よく自然があって(笑)すごく気に入っています。


高井:
アトリエを決めるにあたっては、布を染めるっていうのが私たちの仕事なので、建物の奥行きというか、長さもすごく重要で。
ちょうど自分たちが染めてる布の長さと、このお店の長さがぴったり一致していました。
松永:
この場所を決めたきっかけでもあるし、とても良い場所が見つかりました。
高井:
とても良い場所が見つかりました。元々は美容院だったみたいです。ガラスはつけたんですけど、壁とか床はそのままで、作業もできるようなアトリエにしました。

運営で心掛けていること
松永:
極力、シャッターを開けることですね。
閉まっているとやっぱり寂しいなっていうのがあるんで、お店じゃない時もやっぱりシャッターを開けて、「何かここにある」っていうような雰囲気を出すってことはしています。
結構サイクリングの途中に、この辺りで休んでる人とかもいて、そういう人たちが知らない場所に来て、なんかちらっと覗いて…みたいなこともあるので。
よくお客さんから「この商品見たことある」と言われますが、お店で絵を描いていたりすると、「ここで作ってるんですか!」と驚かれます。実際にデザインが生まれる場所として知らなかったし、「あの商品は知ってたけど、どういう人が作ってるのかまでは知らなくて」とか、「プレゼントでもらったものがここにあるんですけど」って。
高井:
「ここだったんですね」みたいな感じで声かけてもらうのが、すごく嬉しいですよね。

どんな人が来る?これから利用してほしい人は?
高井:
週末は、やっぱり手紙舎さんのカフェもあるし、最近パン屋さんもできたし、牛乳屋さんもできたので。
松永:
ソフトクリームがみんな目当てで。
高井:
ここを目指して来てくれる方も多くなったかなって思うんですけど、結構嬉しいのが、年末年始に、おじいちゃん、おばあちゃんに会いに団地に来て、そのお孫さんとかね、お子さんとかが来てくれることが、すごくいいなと思って。
松永:
帰省した時にちょっと寄ってくとかね。
高井:
その時に、「私が子どもの頃は、ここはお米屋さんだったんだよ」とか、「ここには薬局があってね」みたいなお話を聞くことがあって。すごく歴史のある団地というか、そういう話を聞けるのも面白いですね。

これからどんなことがしてみたい?
高井:
昨年、長年やってみたいなって思っていた絵本作りができました。絵本は作ってみてすごく面白かったので、やっぱり引き続きやっていきたくないですか?
松永:
そうですね。いろんな人に見てもらいたいし、子どもたちも絵本を見て、なんですかね、掛け声の…
高井:
「にっげろー」?
松永:
はい、そういうのを団地や保育園の子どもたちが言ってくれたらいいなとは思ってます。
高井:
調布市内だけでもいいので、ちょっと流行語にしていきたいですね。

この場所のイチオシポイントは?
高井:
やっぱり制作風景を見ていただけるっていうのはイチオシポイントなのかなと思います。
机の上でいろんなスケッチブックを広げてそれぞれが作業をしているので、「あの時に書いてたあの絵が、こうなったんだね」みたいな、そういうのを感じていただけるんじゃないかなと思って。そういう意味では面白いんじゃないかなと思います。

調布のおすすめスポット
高井:
子育てをしながらの制作なので、やっぱり近くに公園があったりとか川があったりとか、子どもと一緒に遊びながら制作のイメージを膨らませられるみたいなことがたくさんあって。実際に調布の街を歩いて見つけた風景の中からできたのが金柑の柄ですが、子どもが金柑が好きなので、そう言われてから街を見渡してみると、意外と色々なお家の軒先に金柑の木って生えていることに気がつきました。
松永:
バッタの柄も、多摩川の河川敷の草むらに足を踏み入れた時に、バッタがびっくりしてパタパタ飛んでいくみたいな、そういう風景から着想を得て作ったデザインです。子どもと一緒に遊びながら、そこで見たものや風景を作品に落とし込むことができる調布は、すごくいい場所だと思っています。

kata kata
住所:東京都調布市西つつじケ丘4丁目23−35