2/2(日)に開催する12年ぶりとなる調布でのリサイタルにむけて、国際的に活躍するヴァイオリニスト堀米ゆず子さんにお話を伺いました。
堀米ゆず子さん インタビュー
子どものための音楽教室から大学まで桐朋に通っていました。
いとこがヴァイオリンをやっていたり、子どものころから当たり前に音楽があって、当たり前のようにはじめました。最初はピアノを習っていて、後からヴァイオリンをはじめました。最初にピアノを習ったのはとてもよかったです。
ヴァイオリンは食べ物みたいなもので、演奏することが当たり前。その辺りは本当にうまくレールに乗せられて、それは家族とか先生とか、環境や条件が保たれなければ続けられなかったですね。
素晴らしい教育でした。今のように情報過多ではなかったから、ひたすら勉強して励んで、あとから考えたら桐朋が一番良かったと気づきました。若いうちからあっちがいい、こっちがいいと比較しながらやっているよりはよっぽど(良かったです)。まあ今は時代も変わりましたけどね。
数か月に1回帰ってきますけど、必ず変わっています。桐朋の校舎もきれいになっていました。
少子化で、なかなかこのご時世で音楽家になって食べていこうという勇敢な方が少なくなってきて、それは世界的な傾向です。生徒たちにもよく言いますが、今は情報が本当にネットでいくらでも集められるし、いろんな人の演奏がきけるようになった。技術的にはもちろん進歩しているし、みんなとてもうまくヴァイオリン弾くことができるようになったけれども、それによって何を伝えたいかということが一番大事なわけです。いい意味での教養がないとだめだし続かないし、なおかつそれを自分の身に着けて音にするっていうのは本当に時間がかかるし、時間をかけなきゃいけない作業なんです。だから20年後どうなっているかということですよね。
ヴァイオリンは18歳や15歳からでは始められませんから。10歳でも遅いんです。そうするとやはりいろいろな環境が整ってやれることですよね。音楽を知っていて、演奏できる人は本当に幸せですよ。それはやっぱり何事にも代えがたいから、私たちはそういうものを伝えていく義務があると思います。
ベートーヴェンのソナタ第5番は春に向けてというところ。バッハの無伴奏第2番はパルティータの中でもとても有名です。フランクは私が今住んでいるベルギーの作曲家で、ピアノも大活躍します。プログラムは演奏会の成功の半分を担うくらい大切なことなので、季節感や組み合わせ、順番なども考えます。
どうぞ全くご自由にお聴きください。作曲家と演奏家とお客様は三権分立のようなもので、作曲家がいて、それで私という演奏家がいて、お客様がいて。私はとにかく作曲家の想いをなるべく曲げることなく皆さんに伝えたいだけなので、皆さんも本当に先入観を持たずに聴いていただければ。ただ、曲を知っていたりすると入りやすいかもしれないですね。もし機会があれば少し聴いていただけたりしたら良いかもしれません。
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★2/2(日)「堀米ゆず子ヴァイオリンリサイタル」(調布市グリーンホール大ホール)の公演詳細はコチラ