武者小路実篤(1885-1976年)は、明治43(1910)年4月に志賀直哉、有島武郎らと共に雑誌『白樺』を創刊して世に出て、90年の生涯で多くの作品と業績を残しました。
小説、戯曲、人生論、また雑感や詩など7,000篇もの文学作品だけでなく、40歳を前に書画の制作にも本格的に取り組み、その作品は昭和30-50年代には誰もが目にしたことがあるほど広く親しまれました。また、西洋近代美術の紹介においても先駆的かつ創造的な役割を担いました。人間の「自我」を肯定し個性を尊重する姿勢で近代日本の思潮をリードし、人間が人間らしく生きられる社会の実現を志して「新しき村」を創設したことはよく知られています。
その実篤は70歳の時に調布・仙川の地に移り住み、晩年の20年間を過ごし、昭和51(1976)年4月9日に90歳で死去しました。
調布市武者小路実篤記念館移動展 実篤没後50年 若松英輔コレクションに見る 武者小路実篤・美とことばの宇宙
調布市武者小路実篤記念館移動展 実篤没後50年 若松英輔コレクションに見る 武者小路実篤・美とことばの宇宙 概要

- 開催日
〜
- 開催時間
- 10:00~18:00
※5月29日(金)のみ19:00まで延長 - 会場
調布市文化会館たづくり
- 料金
- 無料
批評家・若松英輔氏のコレクションから実篤の書画作品に秘められた豊かな哲学性を明らかにします
今年、実篤没後50年にあたるのを機に、武者小路実篤記念館と調布市文化会館たづくり展示室の2会場で、気鋭の批評家であり随筆家の若松英輔氏の評価を軸に、2つの展覧会を開催します。
武者小路実篤記念館では、春の特別展「よみがえる武者小路実篤・美愛眞の世界-若松英輔コレクションを中心に-」を開催します。若松氏は、実篤は文学史ではなく精神史の中で捉えるべき存在と語ります。若松氏の目に映る実篤は、深い哲学性・宗教性を有し、真実を語ることのできる、多くの人を魅きつけ結びつける時代の牽引者であり、見逃されているこうした実篤の本質は、現代にこそ重きを持つと評します。若松氏が所蔵する実篤と周辺の人々の作品・資料を中心に展覧会を構成し、考察し、実篤という人物を捉え直すことを試みます。
調布市文化会館たづくり1階展示室では移動展「若松英輔コレクションに見る 武者小路実篤・美とことばの宇宙」と題し、若松氏の琴線にふれた実篤の書画を展観します。
若松氏は、実篤の書画に惹かれ、収集してきました。実篤の絵は言葉で書けない詩であり、絵だけの作品にも詩情があふれていると言います。また実篤の書の豊かな哲学性はこれまで見逃されてきたが、その価値を復権したい、と語ります。絵は詩を味わうように余韻、余白とともに味わい、書は意味の光景が浮かび上がるまでじっくりと見る、そんなひと時を過ごしていただければ幸いです。





若松英輔 Wakamatsu Eisuke
1968年、新潟県出身。2007年第14回三田文学新人賞評論部門受賞。文学者・思想家の評伝や批評のほか、心に寄り添い言葉と向き合う随筆や詩を執筆。また「読むと書く」講座を主宰。著書に『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)、『霊性の哲学』(KADOKAWA)、近著に『あなたが言わなかったこと』(亜紀書房)、『柳宗悦 美を生きた宗教哲学者』(NHK出版)、また柳宗悦『美の救い 柳宗悦傑作選集』(KADOKAWA)を編集。日本経済新聞で2023年に1年間連載した「言葉のちから」第3回は「嘘のない場所〜武者小路実篤「沈黙の世界」」。
関連イベント
講演会「人類の意志を信じた人 武者小路実篤」
「今回の講演会では武者小路実篤が説く「人類の意志」をめぐって考えを深めてみたいと思います。実篤は敬虔(けいけん)な精神を宿した人でしたが、簡単には「神」を語りませんでした。しかし「人類の意志」の可能性はまさに全身全霊で表現し続けたのです。それは文学作品だけでなく、絵や書をも貫くモチーフとなりました。混迷の時代を生き抜く可能性としての「人類の意志」を皆さんと感じ直してみたいと考えています。」-若松英輔
講師:若松英輔(批評家・随筆家)
日時:5月29日(金)19:00〜20:30
会場:調布市文化会館たづくり8階 映像シアター
定員:90名
参加費:無料
申込締切:5月15日(金)17:00まで
保育サービスあり(有料・事前申込)
★5月29日(金)のみ、たづくり1階展示室は19時まで開館します。
淡彩画ワークショップ「実篤のように扇面色紙に絵をかこう」
実篤のように扇型の色紙に筆と墨で絵をかいてみませんか?講師の指導でちょっとしたコツが分かると本格的な淡彩画に仕上がります。最後に簡単な落款を作って捺し、作品を完成させます。
日時:6月20日(土)14:00〜15:30
講師:菱沼陽土女(絵画講師)
会場:調布市文化会館たづくり11階 第2創作室
対象:小学生以上ならどなたでもOK(小学3年生以下は保護者同伴)
定員:16名
参加費:1,100円(材料費)
申込締切:6月6日(土)17:00まで
保育サービスあり(有料・事前申込)
〈講演会・ワークショップ申込み方法〉
下記実篤記念館ホームページから、必要事項を入力して送信。または、電話で申し込み。
どなたもウェルカムタイム 静かにしなくてOK!おしゃべりOK!
子どもも大人も、障害がある方も、付き添いの方もどなたも大歓迎。文化ボランティア「ちょうふアートサポーターズ」がお待ちしています。
日時:6月6日(土)、15日(月) 10:00~12:00
参加費:無料
申込:不要 直接会場にお越しください
学芸員によるギャラリートーク
日時:6月14日(日)、7月4日(土)14:00〜15:00
解説:伊藤陽子(実篤記念館 首席学芸員)
会場:調布市文化会館たづくり1階 展示室
定員:各回20名程度
参加費:無料
申込:不要 開始10分前に展示室にお集まりください
展示室内ワークショップ「実篤の絵をまねっこ!絵と言葉を楽しもう」
野菜や花など身近なものを絵に描いた武者小路実篤。ハガキ大の紙に印刷された絵をなぞって、実篤の描き方を体験しましょう。短い言葉を添えれば、小さな作品の完成です。申込み・参加費は不要、どなたでも気軽にご参加ください。
<関連展示>春の特別展「よみがえる武者小路実篤・美愛眞の世界-若松英輔コレクションを中心に-」
会期:2026年4月25日(土)~6月7日(日)
会場:調布市武者小路実篤記念館
開館時間:9:00~17:00
入場料:大人200円、小中学生100円
休館日:月曜日。ただし5月4日(月)・5日(火)、6日(水)は開館、5月7日(木)は休館
調布市武者小路実篤記念館について
武者小路実篤が昭和30(1955)年から51年になくなるまでを過ごした邸宅(現・実篤公園)の隣接地に昭和60年10月に開館しました。実篤の自筆原稿や書画をはじめ、同時代の文学者や画家の作品等を約5週間ごとに入れ替えて展示しています。平成15年度から調布市文化・コミュニティ振興財団と協力して移動展を開催し、広くその業績を紹介します。
(一財)調布市武者小路実篤記念館
〒182-0003 東京都調布市若葉町1-8-30
Tel 03-3326-0648
公式ホームページ

後援
調布市教育委員会、J:COM、調布FM83.8MHz