
クリエイティブリユースでアート!

ー市内でみつけた端材や廃材をアートな目線で見直そうー
“クリエイティブリユース”とは、使われなくなったモノ(廃材)を人のクリエイティビティ(創造性)で新たなモノに生まれ変わらせることです。
当財団では2014年から提唱者の大月ヒロ子さんとともに、地域の見直されるべき資源である廃材を地元企業、商店から収集し、『クリエイティブリユースでアート!』と題して、廃材を使った作品制作、展示、ワークショップを実施しています。さらに、映画のフィルム缶に廃材を並べて楽しむ『フィルム缶にアート!』や、廃材カードを使って様々な遊びができる『ちょうふのカケラカード』を展開するなど、廃材を通じて調布の魅力や特徴を発見しながら、アートを身近に感じられる取組として「クリエイティブリユース」に挑戦しています。
クリエイティブリユースでアート!の仕組みと流れ
①廃材の収集
廃材をいただく時には、提供してくださる方からお話を伺います。するとその廃材に豊かなストーリーが隠されていることに気づきます。人の持つ技術、コミュニティの歴史、産業、文化芸術など、廃材が私たちに人のことや町のことを教えてくれるのです。廃材を介して、それまで知らなかった新しい世界にアクセスし、町の人とのあたたかなコミュニケーションをとることができます。
▷廃材収集先で撮影した動画はこちら

②廃材の分類、整理
もらってきた廃材は、思わず手に取ってみたくなるような素材となるように、分類・整理をします。
廃材は種類が混在しているとその魅力が見えづらいため、汚れは綺麗に拭き、色や種類別に分類します。すると、「使わなくなったゴミ」だったものが急に輝き出し、美しく見えてきます。また、大きな廃材は部品ごとに分解してみると、分解する前には気づかなかった、魅力的な形が発見できます。
廃材の整理をしながら、写真も撮影します。よく観察していると、廃材がいろいろなモノに見えてきます。

③廃材の活用
整理した廃材は色々な方法で活用され、様々な人の手に渡ります。
欠けがあったり、半端な形をしている廃材は、巷で売られているような画一的な素材以上に、人の想像力を刺激します。
・アーティストへ素材として提供し、文化会館たづくりで展覧会を開催
・ワークショップ等で素材として使用
・『フィルム缶にアート!』の素材として使用 など
廃材の活用には子どもからお年寄り、そしてアーティストやデザイナー、社会的弱者、大学の研究室など、さまざまな立場の人が関わることができ、そこに関わる人同士のコミュニケーションを活発にします。廃材によって、地域のコミュニティが緩やかにつながります。


監修:大月 ヒロ子
(ミュージアム・エデュケーション・プランナー、有限会社イデア代表取締役)
ミュージアム作り、遊びと学びの空間デザイン、展覧会監修など行うかたわら、2013年、日本初のクリエイティブリユースの実験室、情報のハブ、レジデンスとマテリアルライブラリー(廃材の図書館)を有するIDEA R LABを倉敷にオープン。日本各地で廃材活用のプロジェクトを展開中。「ちょうふのカケラカード」のもととなった「廃材カードゲーム」の、国内外の地域版の展開にも力を入れている。